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多様性からイノベーションを生む組織文化-集団性格の革新2ー


集団性格 ~これからの企業発展の鍵となる「お役立ち道の文化」とは~


経営変革を成功させる要因のひとつとして、「組織文化の革新」があげられます。

この「組織文化」の中でも、需要創造ができ、業績を上げ続ける組織への変革を成功させるものが「集団性格」です。

では、この「集団性格」とは何か、今回は第2回目です。


目次[非表示]

  1. 1.「集団性格」と「お役立ち道の文化」
    1. 1.1.三本軸 “挑戦・協調・お役立ち”
    2. 1.2.集団性格のタイプ
    3. 1.3.お役立ち道の文化



「集団性格」と「お役立ち道の文化」


集団性格とは、“挑戦・協調・お役立ち”の三つの価値観とそれに基づく行動様式で表す組織文化のこと。お役立ち道の文化とは、「社会をより良くする新たな価値を、共に創り続ける」組織文化のことであり、集団性格の理想的な状態のことであると確認をしました。

ここでは、“挑戦・協調・お役立ち”の三つの価値観とそれに基づく行動様式、集団性格のタイプ、お役立ち道の文化について考察します。



三本軸 “挑戦・協調・お役立ち”


三つの価値観と行動様式とは、以下であらわします。


挑戦    チャレンジし続けようとする価値観とそれに基づく行動様式


協調    協力関係を築こうとする価値観とそれに基づく行動様式


お役立ち  お役に立とうとする価値観とそれに基づく行動様式


これらを、三本の軸として立方体で表し、それぞれの軸を成長段階に合わせて強・中・弱に分けることにより、その組織の集団性格がどこに位置するのかを特定することができます。表は、各軸の強・中・弱の状態をまとめたものです。



価値観と

行動様式

挑戦

自分の立場を

守ろうとする

(現状維持的挑戦)

他より優位に

立とうとする

(競争優位的挑戦)

自らの可能性を

極め続けようとする

(卓越的挑戦)

協調

分担を果たそうとする

(分業的協力関係)

補い合い、

力を合わせようとする

(補完的協力関係)

共創し、

協働しようとする

(共創的協力関係)

お役立ち

親密な人の

お役に立とうとする

(親近者貢献)

自分の属する組織の

お役に立とうとする

(組織貢献)

社会や市場の

お役に立とうとする

(社会貢献)


特に、全ての軸が「強」の状態が、最ものぞましい集団性格で、「お役立ち道の文化」と名付けました。



集団性格のタイプ


三本軸の強・中・弱を組み合わせることで、集団性格を27タイプに分類することができます。それではここで、集団性格のイメージが湧きそうないくつかのタイプをご紹介します。




挑戦
協調
お役立ち
タイプ名
集団性格の状態
1
お役立ち道型
(お役立ち道の文化)
社会をより良くする新たな価値を、共に創り続けようとするタイプ
2
勝負団結型
組織のために一致団結して、ライバルに勝とうとするタイプ。
需要対応型市場によく見られる活性化集団
3
現状確保型
目の前のことに一生懸命で、自分に与えられた(言われた範囲内で)仕事を真面目にこなし、
仕事の依頼者や自分の理解者など身近な人のお役に立とうとする消極的なタイプ
4
守備的連携型
今の状況を守るために、組織で連携しようとするタイプ
5
孤高の一匹狼型
全体のことより、自分の専門分野において果てしなき挑戦をし続ける
一匹狼が集まったタイプ
6
少数間競争型
自分のため、あるいは関わった身近な人のために、
他より優位に立つように団結しようとするタイプ


このように、自社・自組織の現状の集団性格が特定できれば、目指す集団性格(お役立ち道の文化)づくりに向けての課題を明確にすることができ、集団性格の革新をより実態に即した形で進めることが可能となります。



お役立ち道の文化


お役立ち道の文化は、集団性格の三本軸が「強・強・強」の状態であることは確認できました。ここではもう少し掘り下げて、お役立ち道の文化の特長をご紹介します。


挑戦の観点

新たな価値を創造することは決して容易ではなく、不断の努力が必要です。一朝一夕にできなくても諦めず、自分や組織の可能性を信じ極め続けるという価値観やそれに基づく行動様式を共有しています。

協調の観点

市場のニーズやライフスタイルは、多様化・複雑化しており、一人よりも、組織で知恵を絞り力を合わせた方が、より良い価値の創造と提供につながります。多様性を持ったメンバーが集まり、お役立ちに向けた同志として認め合い、アイデアの創発をし、協働で実現をしようとする価値観やそれに基づく行動様式を共有しています。

お役立ちの観点

お客様と共に、その先のお客様や社会に目を向け価値を提供し続けよう、自社の商品やサービスが最終的に社会でどのように役立っているのかを探求し続けようとする価値観やそれに基づく行動様式を共有しています。


以上のように、お役立ち道の文化が醸成された集団は、高い志を持ち、同志であるメンバーと共に市場や社会のお役立ちに邁進しているため、やりがいや喜びも大きくなり、仕事を謳歌できるようになります。そのやりがいや喜びが原動力となって、更なるお役立ちに向かう、それもこの文化をもつ組織の特長であるといえます。

是非、お役立ち道の文化をつくり、理念の実践を通じた需要創造を実現していただければと存じます。



ジェック『行動人』2014年冬号(2014.12)/2019.2改訂


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