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変わり続けることができる社員づくりー行動理論の改革1ー


目次[非表示]

  1. 1.はじめに
  2. 2.「行動理論改革モデル®」概要
    1. 2.1.Aの領域
    2. 2.2.Bの領域
    3. 2.3.Cの領域



はじめに


「行動理論」とは、私たち一人ひとりが、考えたり行動を選択したりする際の判断基準となる、その人なりのものの見方・考え方のことです。

例えば、このような故事成語があります。「君子危うきに近寄らず」。

一方で、このような故事成語があります。「虎穴に入らずんば虎児を得ず」。

前者の考え方を自分の判断基準としていれば、できるだけ冒険やチャレンジはしないという行動を選択するかもしれません。後者の考え方を自分の判断基準としていれば、多くの局面で果敢に挑むという行動選択をするでしょう。

このように、考え方ひとつで、取る行動が変わります。

当然、行動の取り方で、成果が変わります。特に、ビジネスにおいては、成果を上げるための「成功確率の高い」行動理論を持っておくと、成果が上がりやすい行動パターンを確立することができたり、失敗が続いたときは、行動理論の改革を通じて、行動の修正ができたりします。

この行動理論の正体は何か、そしてこの行動理論の改革を通じて自身の成長にどうつなげていくかを考えてみましょう。



「行動理論改革モデル®」概要


下の図が、今回紹介する、「行動理論改革モデル®」(以下「モデル」と称す)です。そして、この「モデル」は大まかに、A、B、Cの三領域に分けることができます。

​​​​​​​


Aの領域

●人が、変化し続ける状況において、その都度、行動を選択する際には、「性格・素養」だけで行動を選択するのではなく、本人なりの「判断」をして、「行動を選択」している。

●その実際の行動選択に結びつく判断の基準となったものが、「行動理論」である。

●したがって、「行動理論」が変わると、「判断」が変わり、「行動」が変わる。「行動」が変わると、成果が変わり、新たな「状況」が生み出される。


Bの領域

●人には、DNA、資質、性格などの先天的な部分の影響を背景にしながらも、後天的に学習した知識・技術・感情などの素養から、自分なりの価値観を形成する「価値観化」のプロセスがある。

●素養の中には、「原体験」と言われるような強い感情を伴う経験の記憶、深く理解した科学的な知識、生育環境や社会・組織環境の中で繰り返しインプットされてきた知識なども含まれている。

●しかし、すべての知識や感情が本人の価値観になるわけではなく、その一部だけが「価値観化」のプロセスを経て、本人なりの価値観になっていく。

●価値観化には、「取り入れ」と「統合」という二つのタイプがある。

取り入れとは、フリッツ・パールズによれば、ルールを噛み砕かずに丸ごと飲み込むことだといえる。また統合とは、ルールをよく噛んで「消化」することであり、これが最適な形の内在化である。(エドワード・L・デシ,リチャード・フラスト著, 1999, 『人を伸ばす力 内発と自律のすすめ』桜井茂男監訳, 新曜社, p.127)

●そして、形成された本人なりの価値観のうちで、本人の「行動選択」のために使われた価値観が、その本人の「行動理論」である。


Cの領域

●人は、〈行動の結果〉と自分の「行動理論」を振り返り、「行動理論」を自分で修正することができる。

●そのとき働いているのが、「メタ認知」である。なお「メタ認知」とは、認知に対する認知のことであり、感覚的な表現をすれば、「自分の心の働きを見たり修正したりしている、もう一人の自分(の心の働き)」のこと。


これら、A、B、Cの三つの領域の組み合わせでできているのが、今回ご紹介する「行動理論改革モデル」で、この「モデル」によって、次のことが説明されます。

A:人は、自分なりの行動理論によって行動を自発的に選択している。

B:そして、行動理論は後天的な価値観化のプロセスを経て形成される。

C:さらに、いったん形成された行動理論も、メタ認知によってモニタリングし、自分で修正することができる。

重要な点は、Aだけではなく、BとCを理解することで、初めて自分で自分の行動理論を改革し、自ら行動を変えていくやり方が見えてくるということです。


次回は、この行動理論改革モデル®を、どのように活用すれば「変わり続けることができるのか」をご紹介します。



ジェック『行動人』2006年5月号/2018.1大幅改訂/2019.2改訂


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