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イノベーションを起こす人と組織をつくる  第2回 “Bigマネジャー”から“真の経営幹部”へ

前回、イノベーションを起こすには、経営幹部・ミドルマネジャー・顧客接点部門の三つのキーパーソンがいると、ご紹介しました。今回は、「経営幹部編」です。経験値が高ければ、問題解決力は高まります。しかし、それはあくまでも「過去の経験」から基づく問題解決力であるということで、経験が長ければ長いほど、その経験値にとらわれ、イノベーションが難しくなるものです。また、「苦労してこの地位を築いてきた」とか「あと数年」という意識から、保守的な決断をすることも往々にしてあります。立場的に影響力が高く、その意識や決断が、組織のイノベーションを阻むことにもなりかねません。そこで今回は、「イノベーションを起こす“真の幹部”」になるためのポイントをご紹介します。


目次[非表示]

  1. 1.幹部の「決断」がイノベーションのカギ
  2. 2.創造性がスピーディーな決断を生み出す
  3. 3.創造性を高めるためには?
  4. 4.イノベーションを阻む幹部の「カベ」
    1. 4.1.全体のカベ
    2. 4.2.長期のカベ
  5. 5.ジェックの「共創型イノベーションプロジェクト」プログラム


幹部の「決断」がイノベーションのカギ

世の中は、第4次産業革命の真っただ中で、本格的な「共創社会」が到来しようとしています。そこでは、多くの企業がイノベーションを起こそうと様々な努力をしています。そして、それを実現するためのキーパーソンはもちろん経営幹部です。

特に、時代の変化が激しい現在において経営幹部にこれまで以上に求められるのは「スピーディーな決断」です。AIやIoT等の技術革新をはじめ、これまでにない市場の変化の中では何を判断基準にしてよいか分からず、決断できない幹部が多いのが現実です。しかし、スピーディーに決断をし、ライバルよりも先行した企業が市場から選ばれるのが世の常。幹部の決断の遅れで、事業が衰退することもあり得るのです。

では、「スピーディーな決断」を実現するために、どのような能力を磨けばよいのでしょうか。それは、「創造性」です。


創造性がスピーディーな決断を生み出す

なぜ、「戦略性」「問題解決力」といった能力よりも、幹部に「創造性」が求められるのか?それは、経験したことがない激変の時代の中では、前例を参考にして戦略を立てることが困難だからです。これまでにない策を考え、これまでにないプロセスで市場に打って出ることが必要なのです。そして、市場で選ばれるためには、ライバルが考えていない(つまり、誰も考えていない)戦略で勝負をすることが求められます。

今、世の中を席巻しているGAFAを始めとした時代の寵児も、高い「創造性」があったからこその成功と言えるでしょう。創造性が発揮されれば、前例のない時代でもユニークで差異化できる戦略を早期に打ち出すことができます。その結果、「スピーディーな決断」につながるのです。

創造性なき戦略では、なかなか自信が持てずに迷いが生じ、決断の遅れを招くのは必至です。


創造性を高めるためには?

創造性は、一人で本を読んだり、想いにふけったりしているだけでは磨けません。また、日々の仕事に没頭しているだけでは、むしろ創造性は衰退していきます。例えば、経営戦略を立案するフレームワークはたくさんありますが、それも、活用がまずければ逆効果になってしまいます。

では、どうすれば幹部の創造性を高められるのか?それは、「価値創造」ではなく、「価値の共創」が重要であると考えています。つまり、創造性と創造性のぶつかり合い、「新たなことを生み出すための本気のディスカッション」でケミストリー(化学反応)を起こすことです。


私たちジェックは、「共創型イノベーションプロジェクト」というプログラムをご提供しています。幹部または幹部候補の方々にお集まりいただき、これからの市場のニーズ変化を押さえたうえで、自社のイノベーションを徹底的に考え抜いてケミストリーを発生させるお手伝いをしています。ポイントは既成概念を捨てた、思い切った発想をすることです。

何度も集まっていただき、徹底的に考え、お互いに発想をぶつけ合うことで、徐々に既成概念に捕らわれない思い切ったイノベーション策が生み出されるようになります。短くても半年、長ければ数年かかることもありますが、これからの大きな時代のうねりに対応するためには必須の取り組みと言えるでしょう。


イノベーションを阻む幹部の「カベ」

このような取り組みを通じて、幹部の皆様に超えていただく必要がある「カベ」があります。それが「全体のカベ」と「長期のカベ」です。

全体のカベ

「全体のカベ」とは、「会社全体のことを考えることができない」ということです。幹部になりたての方を見ていると、まだ部門マネジャー時代の「営業部のこと最優先」「開発部のこと最優先」といった、部門中心の思考が強く働いています。つまり、会社全体の「幹」である幹部ではなく、単にマネジャーがレベルアップした、「Bigマネジャー」のような状態なのです。

Bigマネジャーは、自部門の利益優先で物事を考える癖がついていますので、結果的に自社全体でみれば、市場で勝てない「決断」をしてしまうリスクがあります。Bigマネジャーから脱し、真の幹部になっていただくためには、部門を超えて会社全体の将来を考え抜くことを繰り返し行い、「全体思考」「全体最適思考」に切り替える必要があります。

長期のカベ

また、もう一つのカベである「長期のカベ」というのは、「長期的な視野で物事を考えられない」ということです。部門マネジャー時代は、「今期の目標を達成する」ということが最大のミッションであり、「この1年どうするか?」ということに意識が集中しています。この意識のまま幹部になっている人は、まさにBigマネジャーの典型です。

本来幹部は「来年、再来年、そして長期ビジョンを見据えた戦略」を打ち出す必要があります。将来の市場を見据えてこそ、思い切ったイノベーションを起こすことができるのです。部門長時代は「将来の構想をすることなど仕事ではない」と考えている人も少なからずいます。そのような考えを思い切って切り替え、「仕事の半分は、将来の構想を創る」くらいの意気込みにならなければ、イノベーションは起こせません。


ジェックの「共創型イノベーションプロジェクト」プログラム

これまで述べてきたように、大きな変化を迎えている第4次産業革命の中では、幹部に創造性が求められます。その結果、スピーディーな決断が生まれ、市場で選ばれ続けることが可能になります。

しかし、幹部は「真の幹部」ではなく「Bigマネジャー」の状態にとどまっていることも少なくありません。ジェックが提供する「共創型イノベーションプロジェクト」は、部門を超えて、将来の市場の変化、そして市場で選ばれ続けるための自社のイノベーションを徹底的に考え続けます。ただ考えるだけではなく、実際にプランニングを行って、イノベーションをスタートさせます。実際に変化が起きるまで、ジェックはイノベーションのパートナーとして、とことんお付き合いさせていただいております。

これらを通じて、幹部そして幹部候補の皆様に、「これからの時代の幹部」になっていただき、一過性のイノベーションではなく、時代を先取り続けるために、イノベーションを起こし続ける組織の基盤をつくっていくのです。




松井 達則
松井 達則
株式会社ジェック 代表取締役社長 【経歴】 大手金融会社を経て、2001年ジェック入社、コンサルタントとなる 2018年 取締役就任 2023年 代表取締役社長就任 【お役立ちコンセプト】「自燃型の人財づくり」 自分で考え、自分で動く自律型の人財はもはや当たり前。 自分の心に火をつけ、常に意欲的に行動することで、周りにも火をつける「自燃型」の人財づくりのお手伝いをいたします。

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