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相談できない若手が増えている理由  ~「自立しろ」のメッセージが相談を止めていないか~

最近、現場のマネジャーからこんな声を耳にすることがあります。

「若手が相談してこない」
「困っている様子なのに何も言わない」
「ミスが起きてから初めて状況が分かる」
「面談でも『大丈夫です』としか返ってこない」

一方で、若手社員に話を聞くと、

「相談してはいけないとは言われていない」
「でも、相談しづらい」
「どのタイミングで聞けばいいか分からない」
「忙しそうで声をかけられない」

といった声が少なくありません。

なぜ、相談できない若手が増えているのでしょうか。

若手は「相談したくない」のではない

まず押さえておきたいのは、多くの若手社員は決して相談したくないわけではないということです。
むしろ、分からないことや不安なことはたくさんあります。
しかし、
「こんなことを聞いていいのだろうか」
「何度も聞くと迷惑かもしれない」
「評価が下がるのではないか」
と考え、結果として相談をためらってしまいます。

特に近年は、失敗を避けたい意識が強い若手も少なくありません。

だからこそ、相談しないのではなく、相談するハードルが高くなっていると捉えた方が実態に近いのではないでしょうか。

「自立しろ」のメッセージが相談を止めている

職場ではよく、
「自分で考えてみよう」
「主体的に動こう」
「まずは自分で調べてみよう」
といった言葉が使われます。

もちろん、若手の成長を願っての言葉です。しかし、受け取る側はどうでしょうか。
経験の少ない若手にとっては、
「一人で解決しなければならない」
「簡単に相談してはいけない」
「自分で答えを見つけるまで聞いてはいけない」
というメッセージとして伝わっていることがあります。

その結果、
分からない→まずは自分で考える→さらに分からなくなる→相談しづらくなる→抱え込む
という状態に陥ります。

本来、自立とは一人で何でもできることではありません。
必要な時に周囲を頼り、適切に助けを求めながら成果を出せることです。
にもかかわらず、「自立=一人で解決すること」という誤解が生まれると、相談という成長機会そのものが失われてしまいます。

相談できる職場には共通点がある

相談が多い職場を見ると、若手社員の性格が特別積極的というわけではありません。違うのは、周囲の関わり方です。

例えば、
・質問や相談を歓迎している
・小さな相談にも丁寧に応じている
・上司や先輩が失敗談を共有している
・困っていそうな時に声をかけている
こうした職場では、自然と相談が生まれます。

一方で、
・忙しそうで話しかけにくい
・質問するとため息をつかれる
・「前にも言ったよね」が口癖になっている
といった環境では、若手は次第に相談しなくなります。

相談力は本人だけの能力ではありません。
相談できる環境があって初めて育つものなのです。

本当に見るべきは相談回数ではない

若手育成というと、コミュニケーション量に目が向きがちです。しかし重要なのは、会話の量ではありません。
本当に見るべきなのは、
「困った時に相談できるか」
「相談する相手がいるか」
「助けを求めても大丈夫だと思えているか」
という関係性です。

人は安心できる相手にしか相談しません。そして、その安心感は研修や制度だけでは生まれません。
日々の関わりや声かけの積み重ねによってつくられるものです。

若手を変える前に、職場を見直す

「最近の若手は相談してこない」そう感じた時、私たちはつい本人の姿勢や意欲に目を向けてしまいます。
しかし、本当に見直すべきなのは職場の側かもしれません。

私たちは日頃、「自立してほしい」と願いながら、知らず知らずのうちに「一人でやりなさい」というメッセージを発していないでしょうか。

相談できる人材は、相談できる環境の中で育ちます。
そして、相談できる環境は、日々のマネジメントによってつくられます。
人が育つ組織では、相談は弱さではなく学習として扱われています。

若手の相談力を高める前に、職場に「相談したくなる空気」があるかを見直してみてはいかがでしょうか。

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