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キャリア・ビジョンを描く

あなたのキャリアをデザインしよう! 第5回

目次[非表示]

  1. 1.キャリア・コンセプトで価値を表現する
  2. 2.キャリア・コンセプトから未来への想いを立ち上げる
  3. 3.組織を活躍のステージに。未来は自分の手で切り開く
  4. 4.やってみよう・キャリア・ビジョンを描くための「問い」


キャリア・コンセプトで価値を表現する

前回は、「キャリア・コンセプトを明確にする」をテーマに、《自分が仕事と人生を通じてどのような価値を提供したいのか》をコンセプトとして分かりやすく表現し、明確にすることの大切さをお伝えしました。


キャリア・コンセプトは、短期的な今の仕事の作業内容を表現するのではなく、価値を表現することがポイントです。

「価値を表現する」について、例をお話ししましょう。


ある日、街の広場で三人のレンガ職人がレンガを積み上げる仕事をしています。
「あなたはそこで何をしているのですか」と質問すると、
Aさんは、「私はここでレンガを積み上げています」と答えます。
Bさんは「私はここで小学校を造っています」と答えます。
Cさんは「私はここで、この国の未来を創っています」と答えました。

いかがでしょうか。

同じ仕事をしているのに、Aさんは「私の仕事はレンガを積み上げる仕事である」という極めて作業的な仕事の捉え方になっています。
一方で、Cさんは「私の仕事は子どもたちに教育の機会を提供し、この国の未来を創る仕事である」という価値を表現しているのです。

Cさんのような仕事の捉え方こそが、《自分が仕事と人生を通してどのような価値を提供したいのか》を表現したキャリア・コンセプトといえます。

キャリア・コンセプトが真に自分にしっくりきていて、「これこそが人生をかけて自分がやりたいことなのだ」という強い想いが持てれば持てるほど、人は主体的、意欲的に仕事に取り組めるようになるのではないでしょうか。


キャリア・コンセプトから未来への想いを立ち上げる

キャリア・コンセプトはとことん自分と向き合い、時にはキャリア・コンサルタントからの支援を受けながら明確にしていくことが多いものです。
時問がかかりますし、自分と向き合うことはしんどいかもしれません。

しかし、ひとたび、キャリア・コンセプトが明確になるとそのコンセプトが無限の力を発揮します。

キャリア・コンセプトに想いがこもり、明確になればなるほど、そのコンセプトを中核に自分が今後どのようなことをしていきたいのか、未来への想いや将来への展望が持てるようになります。
この将来への展望こそが、今回のテーマである「キャリア・ビジョンを描く」です。

例えば、「私の仕事は子どもたちに教育の機会を与え、未来を創ることだ」という強い想いのこもったキャリア・コンセプトを持っている人であれば、「将来的には子どもたちがもっと主体的に学べるような、仕切りや壁の少ない開放的な学校を創りたい」、「海外の教育の機会が少ない地域でも学校創りがしたい」など、さまざまな将来への展望が生まれてくるのではないでしょうか。

このような将来への展望すなわち、【キャリア・ビジョン】を持つことこそが、新価値創造にもつながっていきます。

企業の経営者層の方々から「企業活動の継続・発展においては、新価値創造が不可欠。新規事業を立ち上げなければいけない」といった声をよくお聞きします。
一方で、「なかなか社員から新しいアイデアが出ない」「イノベーションが起こらない」といったお悩みもお聞きします。

企業に所属する私たち一人ひとりが、想いのこもった将来への展望を描いていくことは、自分の人生をいきいきと生きることにつながるだけでなく、企業の新価値創造や世の中への新価値創造にまでつながっていきます。

組織を活躍のステージに。未来は自分の手で切り開く

このシリーズの第1回では「今、なぜ、キャリア・デザインなのか」をお伝えしました。
市場環境が変わり、かつての「キャリア・デザインにおいて、会社が主で社員が従」という会社主体の生き方や働き方から、「自分がキャリアの主人公である」という主体的な生き方や働き方に変えていく必要があることをお伝えしました。

企業組織に所属する私たちは、配属や配置転換で必ずしも自分の希望が通るとは限りません。

しかし、だからといって、受け身に徹して「将来の展望は考えなくてもよい。人事異動で、配属になった場所で頑張ればよい」という生き方は、企業ももはや望んでいません。
機会があるごとに「自分は将来、こういうことをしていきたい。
だから、○○という部署で○○という仕事をしていきたい」と主張し、行動していくことが期待されているのです。

本人の熱意と相応の実績があれば、すぐにではなくとも、将来的にチャレンジする機会を企業は与えてくれるのではないでしょうか。
私たちがキャリア・ビジョンを持ったとき、組織の資源(人・モノ・資金・インフラ・専門技術・信頼と実績など)を活用することで、より大きな価値創造ができます。

製造業に長くお勤めだった方のケースです。
その方は時間をかけて自分のこれまでのキャリアに向き合い、そして今後の展望を描かれました。ちょうどキャリアの集大成を考えるタイミングであったと思います。

そして、考えに考えながら、「今後は、日本の製造業が復活するための支援をしていきたい」とおっしゃいました。
コンセプトに基づいた、想いのこもったビジョンであると感じました。
その方が、社内のプロジェクト起案制度や社内の人材、ノウハウ、またお客様とのつながりを活用しながら、中長期を視野において、ビジョンを実現されていく姿が目に浮かぶようでした。

私は、人が想いのこもったキャリア・コンセプトを持ち、ありありと将来の展望を描き、今所属している組織を活躍のステージに実現していくことを思うとき、深い感動を覚えます。

どんな小さな変化でもよいのです。
組織の中で自分の想いを実現していくこと、組織に良い変化を起こしそれを形として残していくことは、性別を問わず、年齢を問わず、ボジションを問わず、可能です。

それが、その人がその組織に存在したことの意味であり、その組織で精一杯に仕事に向き合い、生きた証を残したことになる、そんなふうに思うのです。

やってみよう・キャリア・ビジョンを描くための「問い」

1.あなたのキャリア・コンセプトは何ですか? 誰に対して、どのような価値を提供したいですか?


2.そのコンセプトを実現している自分をイメージしてください。10年後、あなたはどこで、誰と、どんなことをしていますか?



※(弊社季刊誌『行動人』448号より加筆修正)

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