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新任管理職育成で見直したいこと ― プレイング業務と部下育成を両立する役割認識と行動変容

役割認識の転換が、部下育成とチーム成果を変える

新任管理職の育成を考えるとき、「プレイング業務が多く、部下育成に時間を割けない」という課題は避けて通れません。
自らも担当業務を持ちながら、部下の指導や目標管理、チーム運営にも責任を持つ。こうしたプレイングマネジャーの存在は、多くの職場で現実的な選択となっています。

しかし、ここで考えたいことがあります。
マネジャーになったからといって、これまでの仕事にマネジメント業務を追加するだけになっていないでしょうか。
これでは、仕事が増える一方で、時間にも気持ちにも余裕がなくなってしまいます。

2027年度の新任管理職育成を考える今、必要なのは、マネジメントの知識やスキルを増やすことだけではありません。
マネジャーとしての役割を正しく認識し、その役割に合わせて、日々の判断や行動、そして仕事の進め方そのものを見直すことではないでしょうか。

プレイヤーとしての成功体験が、マネジャーの判断を左右する

新任管理職の多くは、これまでプレイヤーとして成果を上げ、その実績や能力を評価されてきた人たちです。
問題が起きれば自分で解決する。難しい仕事は自ら引き受ける。スピードや品質を重視し、確実に成果を出す。こうした行動は、プレイヤーとしては強みになります。

ところが、マネジャーになってからも同じ考え方で仕事を続けると、思わぬ壁に直面することがあります。
例えば、部下が仕事の進め方について相談してきたとき。「自分がやった方が早い」と仕事を引き取ったり、「こうすればいい」とすぐに答えを示したりすることはないでしょうか。
もちろん、緊急性が高い場合や、部下の経験が不足している場合には、マネジャーが直接対応することも必要です。

しかし、それが当たり前になってしまうと、部下が自ら考え、判断する機会を失ってしまうかもしれません。
ここで見直したいのは、行動そのものだけではなく、その奥にある判断の基準です。
「自分が成果を出すこと」を優先するのか。それとも、「部下を通じてチームとして成果を生み出すこと」を優先するのか。

マネジャーへの転換とは、単に担当する仕事が変わることではなく、成果を生み出すための考え方を変えることでもあるのです。

マネジャーの仕事を「追加」するのではなく「組み替える」

プレイングマネジャーが忙しいのは、ある意味で当然かもしれません。これまでの担当業務を抱えたまま、部下育成、目標管理、会議、組織運営など、新たな役割が加わるからです。
しかし、この状態を「プレイングマネジャーだから仕方がない」で終わらせてしまうと、マネジャーは仕事を抱え続けることになります。そこで必要になるのが、役割認識の転換です。

マネジャーの役割を「自分が成果を出すこと」から「チームとして成果を生み出すこと」へと捉え直すと、仕事の選び方も変わってきます。

例えば、これまで自分が担当してきた業務についても、
・本当に自分が担うべき仕事なのか
・メンバーに任せることで、成長機会にできないか
・これまでのやり方や業務そのものを見直せないか
という問いが生まれます。

つまり、新しい役割を担うためには、新しい仕事を覚えるだけでなく、これまでの仕事を手放す判断も必要になるということです。
もちろん、仕事を手放すことは、単に部下へ業務を移すことではありません。
メンバーの力量や経験を踏まえて仕事を任せ、必要な支援を行いながら、成果につなげていく。その過程もマネジャーの重要な仕事です。

また、業務の再配分には、マネジャー個人の判断だけでは解決できないこともあります。人員配置や権限、組織としての業務の優先順位を見直す必要があるかもしれません。
だからこそ、新任管理職の育成は、本人に新しいスキルを身につけてもらうことだけで完結するものではないのです。
「何を新たに行うか」と同時に、「何を自分で行わないか」を考える。
この視点が、プレイング業務とマネジメント業務を両立させるための重要な出発点になります。

役割認識が変わると、日々の判断と行動が変わる

役割認識の転換は、日々の小さな判断にも表れます。例えば、部下が仕事の進め方に迷っている場面を考えてみましょう。
「自分が正しい答えを教えることが役割だ」と考えていれば、具体的な指示を出すでしょう。
一方、「部下が自ら考え、判断できるようにすることも自分の役割だ」と考えていれば、まずは「あなたはどう考えている?」「どんな方法がありそう?」と問いかけるかもしれません。
どちらの行動が適切かは、状況によって異なります。

大切なのは、指示するか、問いかけるかというテクニックの違いだけではありません。
何のためにその行動を選ぶのか。その判断の背景にある考え方が変わっているかどうかです。
目の前の仕事を早く終わらせることだけを考えるのか。
それとも、目の前の成果と同時に、次の仕事を任せられる人材を育てることまで考えるのか。
この判断の違いが、日々の部下への関わり方を変えていきます。

そして、部下が自ら考え、行動できるようになれば、マネジャーがすべての仕事を抱え込む必要も少しずつ減っていくでしょう。

役割認識が変わることで、判断が変わり、行動が変わる。その積み重ねが、部下の成長とチーム成果につながっていくのです。

マネジメントを「知っている」だけでは、現場の行動は変わらない

では、新任管理職にマネジメントの知識やスキルを学んでもらえば、こうした転換は進むのでしょうか。もちろん、マネジメントの基本を学ぶことは欠かせません。
目標管理、部下育成、問題解決、コミュニケーションなど、管理職として必要な知識やスキルを体系的に習得することには大きな意味があります。

しかし、研修で学んだことを理解していても、実際の職場で行動できるとは限りません。

日々の業務に追われ、目の前の問題に直面すると、これまで慣れ親しんだ判断や行動に戻ってしまうこともあるでしょう。
・「部下に任せることが大切だ」と理解していても、忙しいときには自分で仕事を引き取ってしまう。
・「部下に考えさせることが大切だ」と分かっていても、つい答えを教えてしまう。
こうした場面で必要なのは、単に「次から気をつけよう」と反省することではありません。

なぜ自分は、その判断をしたのか。何を優先し、何を大切にしていたのか。
自分自身の判断の背景を振り返ることが重要です。
これまで成果につながっていた考え方であっても、役割が変われば、見直す必要があるかもしれません。

新任管理職の育成では、知識やスキルを身につけることに加えて、こうした自分自身の考え方への気づきを促すことが求められます。

実践と振り返りが、マネジャーの行動変容を支える

マネジャーとしての役割を理解し、判断や行動を変えていくためには、継続的な実践と振り返りが欠かせません。
・研修で学んだことを職場で試し、その結果を振り返る。
・うまくいったことだけでなく、思うようにいかなかったことについても、「なぜそう判断したのか」「別の関わり方はなかったか」を考える。
・そして、次の場面で新たな行動を試してみる。
こうした繰り返しによって、学んだ知識やスキルが、現場で使える力へと変わっていきます。

一方で、多忙な新任管理職にとって、日々の判断や行動を一人で振り返り続けることは簡単ではありません。
そこで、上司との対話や職場でのフィードバックに加え、AIを活用した振り返り支援も選択肢の一つになります。
例えば、AIとの対話を通じて、自分がどのような場面で、何を考え、どのような行動を取ったのかを整理する。第三者的な問いかけによって、自分では当たり前だと思っていた判断の背景に気づくことも期待できます。
大切なのは、AIを使うこと自体ではありません。
自分の考え方を客観的に見つめ直し、次の判断と行動を変える機会を、日常の中にどうつくるか。
新任管理職の行動変容を支えるには、研修の場だけでなく、現場での実践と振り返りを継続できる仕組みが必要なのです。

2027年度の新任管理職育成は「どんな行動を変えるか」から考える

来期の新任管理職育成を検討する際、必要な知識やスキルを洗い出し、研修内容を決めることは重要です。
しかし、その前に考えておきたいことがあります。
「新任管理職に、どのような役割を担ってほしいのか」
「その役割を果たすために、どのような判断と行動ができるようになってほしいのか」
そして、
「そのために、これまでの仕事の何を見直し、何を任せ、何を手放す必要があるのか」
ということです。

新任管理職がプレイング業務を担うこと自体が問題なのではありません。
問題は、役割が変わったにもかかわらず、仕事の進め方や判断の基準が変わらず、これまでの仕事に新しい仕事が上乗せされ続けることではないでしょうか。

マネジャーとしての役割を正しく認識することで、自分が担うべき仕事も、部下への関わり方も変わっていきます。
その変化を本人の努力だけに任せるのではなく、現場で実践し、振り返り、改善できる環境を整えることも、人事部門や上司に求められる大切な役割です。

新任管理職育成は、できることを増やすだけの育成ではありません。役割に合わせて、やること・任せること・やめることを判断できるようにする育成でもあります。

2027年度の育成計画は、「何を学ばせるか」だけでなく、「どのような判断と行動を変え、どのようなチーム成果につなげるか」から考えてみてはいかがでしょうか。

新任管理職の行動変容を、現場での実践と振り返りから支援する

ジェックでは、マネジメントの基本を学ぶだけでなく、現場での実践と振り返りを通じて、管理職の判断や行動の変革を支援しています。
新任管理職の役割認識の転換と、実践力の向上をお考えの方は、ぜひご覧ください。

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株式会社ジェック マーケティングチーム
株式会社ジェックマーケティングチームです。企業や組織の課題解決のヒントになるコラムを発信してまいります。株式会社ジェックの特長である「行動理論の改革」と「集団性格の革新」をわかりやすくお伝えします。激変する今の時代に、アップデートできる人づくり、組織づくりの参考としていただければ幸いです。

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