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安全で快適な職場をつくろうする組織とは~信頼関係づくり~

JANSI(一般社団法人原子力安全推進協会)が行っている『安全文化アセスメント』のインタビュー担当者を対象にした研修を担当したことがある。

研修でのインタビューロールプレイングで、「なぜ、できていないのですか?」「それは、~が不十分だからではないのですか?」と詰問調で意図的にネガティブな方向へ誘導するようなインタビューをする参加者がいた。

ロールプレイング終了後、相手役(被インタビュアー)の方に「どんな気持ちでしたか?」と聞いたところ「責められているようで、『マズイことは隠さなきゃ』という気持ちになった」と苦笑いしていた。

なぜ、そんな気持ちにさせてしまったのか? 原因は「あらさがし質問」中心のネガティブコミュニケーションになっていたことにある。

ネガティブコミュニケーションは、一般的には「相手に対して『NO』を言うことや、相手の意見と異なる意見や見解を述べること、相手に対して感じるネガティブな感情を伝えること」などと説明されるが、本質的には「どうせダメに決まっている」と相手を否定的に捉えて、そのダメぶりを暴き出して責めようとするスタンスによるコミュニケーションと言えるだろう。

このスタンスで、できていない点の指摘や追及をされると、自己防衛本能が働き、本能的に「マズイことを知られて責められるのは嫌だ」という心理になり、その相手にはマイナスと捉えられかねない情報を口にしなくなるのである。


風通しが良い組織は良好な信頼関係から

そして、「その相手には」というのが厄介で、仕事の進捗が思わしくないメンバーに対して「この程度のことがなんで計画通りにできないの?」、試験に落ちたメンバーに対して「ちゃんと勉強しなかったんじゃないの?」などといったネガティブコミュニケーションが日頃から多いリーダーに対しては、指摘や追及されたこと以外のマイナス情報も報告しなくなるのだ。

当然、そのリーダーには安全に関するマイナス情報も、ありのままには報告されなくなってしまう。

つまり、リーダーがメンバーに対して日常的にネガティブコミュニケーションをしていると、いわゆる「風通しが悪い組織」をつくってしまうということだ。

したがって、安全に関するマイナス情報がありのままに報告され、共有される「風通しが良い組織」をつくるためには、相手を対等な同志として尊敬し、相手のありのままをフラットに受け止めるスタンスによるポジティブコミュニケーションを習慣にすることが大切になる。

実際、ある企業の安全衛生管理の責任者から聞いた話だが、安全パトロールをするメンバーに対して、安全対策に対する要旨説明やスタンスを変える意識付け教育に取り組んだ。
​​​​​​​その結果、メンバーのスタンスが「監視役として不安全行動を暴き出す」から「同志として共により安全で快適な職場をつくる」に変わった途端に、マイナス情報がありのままに報告され、共有されるようになったという話を聞いたことがある。

安全に関する現場の情報がありのままに報告され、共有され、全てのメンバーがポジティブにより安全で快適な職場をつくろうとする組織にするために、まずは、リーダーからポジティブコミュニケーションを心掛けてはいかがだろうか。

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