
答え無き時代こそ「メタ認知」することの重要性 ~4大発想①「目的発想」~
私が研修やコンサルタントの現場で実務家の皆さんと取り組み、共有している、正しい=成功確率の高い思考プロセスの方向性は、以下の「4大発想」です。
1.【目的発想】経営ビジョンや顧客提案コンセプトづくりの際に、やり方や数字という結果から発想すると目的が伝わらず成果が出にくい。目的から発想する。
2.【プル発想】あるべき姿から現状を踏まえてギャップを解決しようとする発想。
3.【両立発想】お客様ニーズと自社シーズ、組織の目標達成と従業員の幸せなど、どちらかを優先すれば、対立発想に陥りがちなことも両立させるよう発想する。
4.【重点発想】課題を羅列するのではなく、的を絞り、重点的に発想する。
今回は、「目的発想」についてお話したいと思います。
(一例イメージ)
◆参考
このシリーズでは、皆さまからいただいた質問にお答えする形で一緒に深めています。
Q 「手段・方法」ではなく「目的」からの発想が戦略的発想となる理由は?
A 近年、市場環境の厳しさから、今までとは違う顧客創造戦略や内部革新戦略をつくり出すための取り組みが増えてきています。
当然ながら、限られた経営資源の最適配分の方向性を決める経営戦略とは、『マーケティング(顧客創造)戦略とイノベーション(内部革新)戦略」のことであり、行動量アップ策やコスト削減策は、経営戦略を支える通常業務として位置付けされるのが一般的です。
ところで、多くの戦略会議における落とし穴として、いきなり「手段・方法」から発想してしまうあまり、その戦略の主役である現場の営業担当が「目的(経営方針)」を理解できず、経営幹部が期待する方向への行動変革が見られないことが多々あります。
さらに、現場の営業担当の提案においても、自社商品・サービスの導入のための「手段・方法」 に話が偏ってしまい、お客さまが提案を採用する「 目的(提案コンセプト)が不明になり、採用意欲を高められないケースが少なくありません。
つまり、「相手は自分にとっての目的(意味、価値、メリット)に納得できて初めて主体的に取り組めるものだ 」という行動理論に差し替えることが、戦略創出に不可欠だといえます。
このような行動理論が腹に落ちると、お客さまのニーズを幅広く、奥深く聞き出すための商談力の強化がマーケティング戦略の基礎であり、自部門のメンバーの夢や不安感、現状の悩みを聞き出す OJT対話の強化がイノベーション戦略の基礎であることが理解できるようになり、現場実践への意欲も湧いてくるものです。
これが、 4大戦略発想の【目的発想】です。
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