
答え無き時代こそ「メタ認知」することの重要性 ~組織風土改革と行動理論~
はじめに
昨今、私たちを取り巻く市場はますます複雑化し、飽和状態である。
何をどのようにすれば、お客様から選ばれ続けるのかという答えが無い時代である。だからこそ、需要を創造しようとする変革とアプローチが大切である。
需要を創造するには、従来どおりの自らのあり方を時には否定し、自分に向き合いながら変革することが求められる。
そのような一人ひとりの変革が、相乗効果を出している組織は強く、たくましい。
そのアプローチの成功のカギは「行動理論の改革」である。
◆参考
このシリーズでは、皆さまからいただいた質問にお答えする形で一緒に深めていきたいと思います。
Q 理念、ミッション、ビジョンにも続く組織風土改革と行動理論の関係を教えてください。
A 先行き不透明な時代において自社の経営理念やミッション、ビジョンなどを軸に、需要創造型組織への変革を中長期経営計画に盛り込んでいるお客様が急増しているのが、研修やコンサルティングの現場の実感です。
しかし、なかなか思うように組織風土が変わらないことに焦りを感じている経営者の方も少なくないようです。中には株主から業績向上への成功期待感が持てないという理由で、現在の風土改革の見直しを迫られているお客様もいらっしゃいました。
あるお客様に組織風土改革のために何をしてきたのかとお尋ねしたところ、ブランドロゴが入った記念品を作ったり、キャンペーンなどの行事を行ったり、現場の主要メンバーで構成される風土改革プロジェクトを発足したり、ホームページなどを活用して社内外に風土改革の活動を告知したり、管理職研修を導入したり、企画部門や経営幹部が現場ヒアリングに入る等々、多岐にわたっていました。その努力の割には思うように現場の組織風土が変わらないとおっしゃるのです。
その根本原因はいろいろと考えられますが、経営幹部を含む上級管理職の方々が理念、ミッション、ビジョンに基づく組織風土改革に向けて「一枚岩」になっていないことがほとんどです。その背景には、「理念やミッション、ビジョンに基づくマネジメントでは業績向上の成功期待感が持てない」という根深い固定観念が推察されます。
結局、現場の管理職も担当者も理念、ミッション、ビジョンが自分の業績向上に役に立ちそうだという実感が「本音(行動理論)レベル」で持てない限り、いつまでも精神論レベルの風土改革で迷走を続けることになる恐れがあります。
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