
答え無き時代こそ「メタ認知」することの重要性 ~「経営計画や戦略の浸透」に効果的?~
はじめに
昨今、私たちを取り巻く市場はますます複雑化し、飽和状態である。
何をどのようにすれば、お客様から選ばれ続けるのかという答えが無い時代である。だからこそ、需要を創造しようとする変革とアプローチが大切である。
需要を創造するには、従来どおりの自らのあり方を時には否定し、自分に向き合いながら変革することが求められる。
そのような一人ひとりの変革が、相乗効果を出している組織は強く、たくましい。
そのアプローチの成功のカギは「行動理論の改革」である。
◆参考
このシリーズでは、皆さまからいただいた質問にお答えする形で一緒に深めていきたいと思います。
Q なぜ「戦略は価値観(行動理論と集団性格)に従う」のでしょうか。
A 経営コンサルティングの現場では、中長期経営計画やエリア戦略などが現場に浸透していないことに、経営者がいら立ちをあらわにするケースが多くあります。
このことが日本の経営者だけの悩みでないことは、ワシントン大学ビジネススクールのトッド・ゼンガー教授が『ハーバード・ビジネス・レビュー』(2013年11月号)に寄稿した次の引用からもお分かりいただけると思います。
「企業にとって最も悩ましい戦略上の課題は、いかにして競争優位を築き、維持するかではない。むしろ、いかにして予想を裏切るような新たな価値を創り出すかが問題である。その際に重要なのが【企業セオリー】だ。これは企業が価値を生み出す戦略を選び出す際の手引きとなる。
長期間に渡り成功を維持できている企業は、たいてい価値創造に関する一貫した【企業セオリー】を創業時から持ち続けている。後任がこのセオリーを見失うことで問題を抱えてしまうケースは多いが、そのような場合でも当初のセオリーに回帰することで、しばしば会社を立て直せることがある。」
そこで、ゼンガー教授はウォルト・ディズニー・カンパニーやアップル社などがどのようにして不振の途中から立ち直ったのかを、持続的成長を成し遂げてきた事例として紹介しています。
この【企業セオリー】こそ、その企業を成功に導く行動選択における「価値観(行動理論)」であると同時に、人財育成における最大のテーマが知識やスキルの習得よりも、この企業セオリーを形式知化(言語化)し、全従業員の価値観としてベクトル合わせすることです。
特に、「新しい教育体系の構築」や「次世代経営幹部育成」などに取り組んでいる企業では、ここを外すと教育投資の割には成果が上がりにくいと一般的にいわれています。
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