
答え無き時代こそ「メタ認知」することの重要性 ~価値観化ってどのようなプロセス?~
はじめに
昨今、私たちを取り巻く市場はますます複雑化し、飽和状態である。
何をどのようにすれば、お客様から選ばれ続けるのかという答えが無い時代である。だからこそ、需要を創造しようとする変革とアプローチが大切である。
需要を創造するには、従来どおりの自らのあり方を時には否定し、自分に向き合いながら変革することが求められる。
そのような一人ひとりの変革が、相乗効果を出している組織は強く、たくましい。
そのアプローチの成功のカギは「行動理論の改革」である。
◆参考
このシリーズでは、皆さまからいただいた質問にお答えする形で一緒に深めていきたいと思います。
Q 「価値観化」は、必要ですか?
A 忙しい中で時間とお金を投資してせっかく研修を受けても、また会議に参加しても、あるいは自分で本を読んでも、その場ではわかったつもりになっていても、いざ現場で実践しようとすると思うようにうまくいかないという経験を誰しも持っていることと思います。
このような「わかる」ことと「できる」ことのギャップ、その原因は大きく二つ挙げられます。第一の原因は、本来の目的(WHY)を見落としたまま、表面上の手段(HOW TO)に偏ってこれをうのみにしてしまうこと。第二の原因は、忙しさを理由にせっかく学んだ知識やスキルを現場実践しないまま放置してしまうことにあります。あくまでも会議や研修、指導、本で得られる知識やスキルは基本となる原理原則であって、それを応用するには原理原則に基づく試行錯誤(咀嚼・吟味)のプロセスが欠かせません。
そこで、役立つのが「価値観化」というプロセスです。これには、多くの方針浸透プログラムと同じく、「まずやってみる」という「取り入れ」という段階と、成果が出るまでやり続けて当たり前のようにできる状態になるという「統合」という段階があります。
そして、行動理論改革モデル図のように、「価値観化」は良くも悪くも行動理論の影響を強く受けます。例えば、「方針・戦略はどうせ単なるお題目」、「うまくいかないのは生まれつきの性格や資質のせい」など、間違った行動理論(固定観念)が根強いと、新しい知識やスキル、行動理論の「取り入れ」も進まないし、「取り入れ」たとしても、現場実践の試行錯誤で自信を失いやすく、「統合」前にあきらめてしまうことが多いのです。
しかし、一方で、正しい行動理論に基づいて実践し続ける中で「成功体験」を積めば、「取り入れ」たものへの自信が強化され、意識しなくても当たり前のようにできるようになる、すなわち「統合」が図れるわけです。そのためにも、計画段階でプロセスごとの目標を立てておくことも有効です。
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