
答え無き時代こそ「メタ認知」することの重要性 ~メタ認知って難しそう?~
はじめに
昨今、私たちを取り巻く市場はますます複雑化し、飽和状態である。
何をどのようにすれば、お客様から選ばれ続けるのかという答えが無い時代である。だからこそ、需要を創造しようとする変革とアプローチが大切である。
需要を創造するには、従来どおりの自らのあり方を時には否定し、自分に向き合いながら変革することが求められる。
そのような一人ひとりの変革が、相乗効果を出している組織は強く、たくましい。
そのアプローチの成功のカギは「行動理論の改革」である。
◆参考
このシリーズでは、皆さまからいただいた質問にお答えする形で一緒に深めていきたいと思います。
Q「メタ認知」って難しそうですが、実務では、どのように実行すればよいでしょうか。
A メタ認知とは、「自分を客観的に振り返って自分の考え方と行動を修正していくことで、自律的成長を促進するプロセス」のことです。
誰もが今までメタ認知を経験したことがあるはずです。特に物事がうまくいかないときこそ、メタ認知のチャンスです。
例えば、会議などの場で自分の意見に対していろいろと反論してくる人がいると、その瞬間は頭にきますよね。しかし、「なぜあの人は自分の意見に反対したのだろう。きっと素直に受け入れられない誤解や不安があるのだろう。これからは怒ったり無視したりせずに、反論の理由を丁寧に聞いてみよう」と考え、冷静な対応をして、結果的にうまくいった経験はありませんか。
同じ原理の応用として、ジェックの営業研修では、「お客様からの反対を歓迎してこそ、反対の奥にある個別事情を聴き出せて、お客様ならではの提案ができるチャンス」という行動理論をお伝えし、現場に持ち帰って実行していただいています。
ところで、皆さんは上司からの指導や研修で学んだことを現場で実践しようとしても、慣れていないために思うようにうまくいかないことの方が多いのではないでしょうか。その時に「どうせ自分には大した能力がない」とか、「研修と現場は違う」といった間違った行動理論に基づいた反省をしてしまうこともありますよね。しかし、そのような間違った反省こそが、成長を阻害してしまうことになるのです。
だからこそ、「単に反省さえすれば成長する」のではなく、「正しいメタ認知をしてこそ、人は成長する」という行動理論が不可欠なのです。
つまり、メタ認知を実務で実行するポイントは、正しい行動理論で自分の言動を振り返るということです。それこそが、「反省的実践家」としての成長の鍵なのです。
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