
答え無き時代こそ「メタ認知」することの重要性 ~行動理論は成果につながる?~
需要対応から需要創造への変革
答え無き時代だからこそ需要創造型への変革とアプローチが大切である
はじめに
昨今、私たちを取り巻く市場はますます複雑化し、飽和状態である。
何をどのようにすれば、お客様から選ばれ続けるのかという答えが無い時代である。だからこそ、需要を創造しようとする変革とアプローチが大切である。
需要を創造するには、従来どおりの自らのあり方を時には否定し、自分に向き合いながら変革することが求められる。
そのような一人ひとりの変革が、相乗効果を出している組織は強く、たくましい。
そのアプローチの成功のカギは「行動理論の改革」である。
◆参考
これからシリーズで皆さまからいただいた質問にお答えする形で一緒に深めていきたいと思います。
Q 行動理論とは、意思決定の際のその人なりの判断基準であることは理解できました。ところで、行動理論が変われば、本当に現場成果につながる行動が取れるようになるのでしょうか。
A これは、人事の方々からよく受ける質問の一つです。
行動科学によると、行動理論が変われば、非常に高い確率で行動が変わることがわかっています。そのメカニズムをある企業の営業戦略会議の事例で簡単にご説明します。
その会議は、まだ人間関係ができていない難しい顧客をターゲットに選定し、高い目標値を設定して具体的な実行計画書を作成するというもので、全員でアドバイスし合う作戦会議形式の研修でした。これができれば、既存の顧客への提案の質と幅が広がり、大きな現場成果が期待できるのです。
ところが、入社5年目のAさんは、「計画は立てたが、正直言って自信がない」と言いました。
その理由は、「完成度の高い提案書をつくらないと、訪問できないと思うので訪問頻度が増えない」とのこと。そこで、「その行動理論が原因で、Aさんは努力の割には成果が上がらなかったのでは?」と投げかけたところ、Aさんは、「なるほど、よく訪問しないから、提案書の完成度が高まらない」という行動理論に気付くことができました。
そして、「これからは断られることも前提にして、訪問頻度を増やす工夫を計画書に盛り込み、確実に訪問を積み重ねてお客様との信頼関係を構築し、大きな成果につなげます!」と力強く決意を発表していました。
後日、Aさんの元の上司の方が、「今まで自分の指導は知識やスキルに偏っていたので、A君の成長を妨げる原因を解消できなかったことに気付きました」と、真摯な表情で話してくださいました。
このように、行動理論が変われば、判断が変わり、極めて高い確率で現場成果につながる行動が取れるようになります。
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