







某中堅サービス会社の常務である塚田は、大手設備企業のD社長と会うチャンスを得た。「この絶好の機会を逃すまい!」と意気込んだ塚田、この商談の場で、相手企業にとってのメリットと問題解決の総合窓口として、自社でトータルプロデュースするのが可能なことを熱意を持って丁寧に訴えた。その結果、「じゃあ、塚田さんのところにお願いしてみようか。念のため、そのイメージを確認するための提案を持ってきてくれないかな?」と、D社長から大枠で合意を取り付けることができた。
「よし!後は“詰め”の提案をまとめればOKだ!」意気揚々と帰社した塚田は、早速、ことの経緯を自部門メンバーに説明した上で、若手ながら伸び盛りの部下、Tをプロジェクトリーダーに任命。関係各部門にも働きかけ、組織で対応するように命じた。Tも高揚した口調で、「まずは精一杯、いい提案をまとめ上げます!」との返事。塚田は「よし、任せたぞ!」とほっと安心したようにTの肩をたたいた。
さて1ヵ月後、塚田はTから提案を済ませたとの報告を受け、再びD社長と面談することになった。しかし、様子がおかしい。前回は塚田の話に全身を傾け、熱心に話をしていたD社長が、別人とでも言いたくなるようなそっけない素振り・・・嫌な予感がよぎる。
D社長がため息をつきながら切り出した。
「例の案件だけどね、悪いけど別のところに発注したよ」
「ええっ、話が違うではありませんか!“わが社に!”と言われたじゃないですかっ・・・?!」
「でも塚田さん、あなたのところは、うちがイメージしていた提案をしてこないじゃない!がっかりしたよ」
「・・・・・?!」
大恥をかいた上、煮えくり返ったはらわたに収まりのつかない塚田は、自社に帰るや否やTをはじめとする社員に雷を落とすしかなかった。
「どういうことだ?!打ち合わせどおりに提案した、と言っていたじゃないか?」
「はい、もちろんきちんと提案していますよ!」
「“きちんと”って、どこを“きちんと”提案したんだ?出張が続いてまともに見ていなかったが・・・提案書、見せてみろ!」
「はい!・・・先方に合いそうなわが社の商品やサービスを詳しく説明したものを全30ページの提案書で提案してあります」
「・・・!そうじゃないだろうが!!・・・ワンストップサービスでわが社が他社の商品やサービスもまとめてプロデュースできることを提案しろと言っただろうが!・・・わかっていなかったのか?!」
「・・・・・・・」
塚田がイメージしていたソリューションは「お客様が成果を上げるソリューション」であった。しかし一方、プロジェクトリーダーTが理解したソリューションは、ソリューションはソリューションでも、「自社商品の提案」の範囲に留まっていたのだ。立場が違えば、同じ言葉でも理解の深さや意味合いが変わってくる。プロジェクトリーダーとはいえ、一社員のTには塚田の意図が理解しがたかったのだ。
この一件で、「このままでは、わが社はライバル競争に勝てなくなる」と大きな危機感を抱いた塚田をはじめとする経営陣は、コミュニケーションのあり方もさることながら、「お客様の成果を上げるプロデューサー」の役割も全うすることを現場のリーダー全員に求めた。さらには、全社を上げて、プロデュースの実践とノウハウ作りに取り組み始めたのである。数ヵ月後からは、そのノウハウを活用し、今後の飛躍が期待できるリーダーたちに、OJTを通じて習得させる動きをはじめたのだった。
「よし!後は“詰め”の提案をまとめればOKだ!」意気揚々と帰社した塚田は、早速、ことの経緯を自部門メンバーに説明した上で、若手ながら伸び盛りの部下、Tをプロジェクトリーダーに任命。関係各部門にも働きかけ、組織で対応するように命じた。Tも高揚した口調で、「まずは精一杯、いい提案をまとめ上げます!」との返事。塚田は「よし、任せたぞ!」とほっと安心したようにTの肩をたたいた。
さて1ヵ月後、塚田はTから提案を済ませたとの報告を受け、再びD社長と面談することになった。しかし、様子がおかしい。前回は塚田の話に全身を傾け、熱心に話をしていたD社長が、別人とでも言いたくなるようなそっけない素振り・・・嫌な予感がよぎる。
D社長がため息をつきながら切り出した。
「例の案件だけどね、悪いけど別のところに発注したよ」
「ええっ、話が違うではありませんか!“わが社に!”と言われたじゃないですかっ・・・?!」
「でも塚田さん、あなたのところは、うちがイメージしていた提案をしてこないじゃない!がっかりしたよ」
「・・・・・?!」
大恥をかいた上、煮えくり返ったはらわたに収まりのつかない塚田は、自社に帰るや否やTをはじめとする社員に雷を落とすしかなかった。
「どういうことだ?!打ち合わせどおりに提案した、と言っていたじゃないか?」
「はい、もちろんきちんと提案していますよ!」
「“きちんと”って、どこを“きちんと”提案したんだ?出張が続いてまともに見ていなかったが・・・提案書、見せてみろ!」
「はい!・・・先方に合いそうなわが社の商品やサービスを詳しく説明したものを全30ページの提案書で提案してあります」
「・・・!そうじゃないだろうが!!・・・ワンストップサービスでわが社が他社の商品やサービスもまとめてプロデュースできることを提案しろと言っただろうが!・・・わかっていなかったのか?!」
「・・・・・・・」
塚田がイメージしていたソリューションは「お客様が成果を上げるソリューション」であった。しかし一方、プロジェクトリーダーTが理解したソリューションは、ソリューションはソリューションでも、「自社商品の提案」の範囲に留まっていたのだ。立場が違えば、同じ言葉でも理解の深さや意味合いが変わってくる。プロジェクトリーダーとはいえ、一社員のTには塚田の意図が理解しがたかったのだ。
この一件で、「このままでは、わが社はライバル競争に勝てなくなる」と大きな危機感を抱いた塚田をはじめとする経営陣は、コミュニケーションのあり方もさることながら、「お客様の成果を上げるプロデューサー」の役割も全うすることを現場のリーダー全員に求めた。さらには、全社を上げて、プロデュースの実践とノウハウ作りに取り組み始めたのである。数ヵ月後からは、そのノウハウを活用し、今後の飛躍が期待できるリーダーたちに、OJTを通じて習得させる動きをはじめたのだった。

その必須用件とは、この3点にまとめられます。




トップ(塚田)の期待したリーダーの動きは、「お客様の成果」向上のためのコンセプトをお客様関係者と統合し、そのコンセプト実現のために自社組織の可能性に挑戦し、足らない点は他社を活用してでも、コンセプト実現のプロジェクトを機能させることだったのです。お客様へのお役立ちとは、組織の知恵がぐぐっと結集してこそ、はじめてできるものなのです。




























